2017/09/13

新橋芸者☆日本の伝統文化 GEISYA☆なでしこの踊り秋2017 新橋演舞場 東にて

忍者、サムライ、芸者。
これらは、海外の人に最もよく知られている日本の代表的な伝統文化です。

サムライはもう日本にはいないから映像の中の存在となってしまったし、忍者に会えるのはアミューズメント施設の中になってしまったし。本物に触れることは最早ほぼできません。

しかし、芸者はまだまだ日本のあちらこちらに本物が存在していて、今でも伝統芸能を生のものとして伝え続けているのです。

新橋芸者


今回、新橋演舞場の地下「東」にて、新橋芸者の若手による「なでしこの踊り 秋 2017」という宴が催されると聞いて、足を運んでまいりました。

この会は今回が7回目。新橋演舞場の旬菜の会席をお弁当に仕立て、芸と奇麗と食でつくる、日本を遊ぶ文化の宴という趣旨で毎回開かれているそうです。

つまり、美味しい旬のお料理をいただき、新橋芸者さんの踊りを見て、お座敷遊びを体験するというイベント。

芸者さんが現に存在するとは知っていても、なかなか接する機会はありませんし、ましてやお座敷遊びなど、見ることすらできないのが普通の日本人ではないでしょうか。
女性なら尚更。
芸者遊びとはどんなものなのか、その一部でも見られるのなら、行ってみても損はないというわけです。

献立

地下鉄「東銀座」から徒歩数分。新橋演舞場に着くと、受付を通り、地下へと入っていきます。
地下にはこじんまりとした「東」という特設会場があり、舞台と、客席(テーブルとイス)が設置されていました。

お料理は会席弁当。30cm四方くらいの木の弁当箱に美味しいお料理が詰め込まれていました。それに、ごはんとお吸い物、デザートが付きます。

席に着いてしばらくすると、4名の芸者さんが会場に入ってきて、桝酒の販売を始めます。枡にはその芸者さんの名前のシールが貼ってあり、その枡に芸者さんが日本酒をついでくれるのです。写真を撮るのは自由。一緒に写真を撮ってもらうこともできちゃいます。

芸者さんの名前シールがはってある枡

販売用の枡が売り切れると、芸者さんは下がっていきます。

そして、いよいよここから踊りとお座敷遊びが始まります。

初めに踊りの解説コーナーがあり、本日披露する全6曲の踊りの意味や見どころが代表の芸者さんによって説明されました。
踊りについてだけでなく、芸者さんの装いについても興味深いお話が聞けました。

男の役を演じる場合と女の役を演じる場合に、髪型はそれぞれどう違うのか、着物の着方や帯の締め方がどう違うのか。半玉(まだ一人前でない年少の芸者さん)の髪型と着物(振袖)、帯の結び方は芸者とどう違うのか。
それぞれ解説されればなるほどとわかりますが、何も知らない状態で見たら、全く見分けがつかないくらいですので、こうやって教えてもらえるとその姿一つ見るのも見方が変わってきます。
ただ単に踊りを見るだけよりも、解説されてから見る方が、しっかりと意味を感じ取ることができますし、楽しめますね。

特に面白かったのが、芸者さんの場合、赤い半襟を着物から片方だけ見えるように出す、というものです。
左右両方出すのは粋ではないそうで、片方だけ赤い色が見えるようにするというのが芸者さんならではのこだわりなんだそうです。
ところが、時々、お客様に「片方だけ見えちゃってるよ」とか「片方が隠れちゃってるよ」とか言われるそうで、その度に「これが粋なんですよ」と説明しなくてはならないのですと笑っていらっしゃいました。

この日、新橋には一人しかいないという半玉さんが出演されていましたが、彼女はまだ10代だそうで。初々しく、本当に可愛らしいお嬢さんでした。
地毛で髪を結ってあるので、眠る時には特別の高枕を使わないといけないのだそうです。お姉さん芸者さんが言うには、その高枕も次第に慣れて、数年もすると高枕でないと寝にくい感じにもなるとのこと。慣れってすごいですね~。

解説が終わると、6曲通して踊りが披露されます。
4人の芸者さんたちが代わる代わる登場し、舞台で優雅に踊ります。

なでしこの踊り

次に、芸者衆と遊ぶ、お座敷遊びです。
希望者5名を客席から選び、実際にお座敷遊びである「とらけん」を体験します。

とらけんとは、いわゆるジャンケンで、「トラ、トーラ、トーラ、トラ」と歌い、踊り、最後にジャンケンをして勝ち負けを決めるというものです。

ジャンケンといっても一般的な紙、はさみ、石ではなく、虎、老婆、鉄砲の三つで勝負します。
鉄砲を持っているのは加藤清正。虎を退治しますので、虎が負け、鉄砲が勝ち。加藤清正は母である老婆には負ける。老婆は虎には負けるということで、この虎、老婆、鉄砲のいずれかを歌の最後にお互いに見せ合い、勝敗を決めるわけです。
虎は床に膝をつき、手をつきます。鉄砲は鉄砲を持つ手の形をします。老婆は杖をついて腰を曲げた格好をします。
2者は屏風をはさんでお互いに見えないように立ち、三味線に合わせて歌い、踊りながら、最後には屏風からお互い姿を相手に見せ、あいこならもう一度、屏風に隠れて虎、鉄砲、老婆のいずれかのポーズをとり、再度勝負をする、というのがルールになります。

実際のお座敷で「とらけん」をする場合は、三味線をひく人と歌い手さんが必要で、芸者さんも3人は呼ばないとだめなので、花代が何十万もかかるそうです。

芸者遊びなんて経験は、女性にはなかなか機会もないし、それだけでも貴重な体験なのに、更に美味しい食事もいただけて、お酒でほろ酔いになれて、日本の伝統文化に触れることができる。なんて素敵な企画でしょう。

本当に楽しく、とっても貴重な一日でした。

なでしこの踊りは次回2018年の1月と2月にも開催予定ということなので、興味がある方はぜひこの貴重な体験をしてみてほしいと思います。

海外の人にもぜひ見ていただきたい日本の伝統文化です。

とらけんの歌






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