2017/08/19

ジョジョの奇妙な冒険ダイヤモンドは砕けない第一章 ジョジョを実写化?東方仗助と広瀬康一と億泰と形兆と 映画レビュー【ネタバレあり】

ジョジョの奇妙な冒険」を愛して愛してやまないアルーアですが、実写化と聞いた時は他のジョジョファンと同様に、それはもう不安と懸念でいっぱいで、素直に実写化を喜ぶ気持ちにはなれませんでした。

ジョジョの奇妙な冒険はPart1からPart8まであり、その登場人物はほとんどが外国人、身長が高く、ガタイがとてつもなくマッチョな方々が多いのです。
そのマッチョな方々がスタンドという精神エネルギーを具現化した能力を使って戦う物語なのですが、どのキャラも強烈で、ファンの心の中に作り上げられてしまっているイメージというものがガッチガチに存在するわけです。

どの実写化にもつきものではありますが、漫画やアニメを実際に人間が演じるわけですから、全く同じ顔、体、声、動作なんかにはなるはずがないわけです。
でも、それをカツラやメイクやCGや、衣装やらでなんとか寄せて寄せて、どうにかこうにか近づけて、実在したらこんな感じだろうとファンに思わせてくれないと、ファンとしては納得できないわけですよね。

しかし、漫画のキャラにメイクやカツラで似せるといっても、元の顔や体に大きく左右されるはずで、どんな人間が演じるか、そのキャスティングに全てがかかっているといっても過言ではないわけであります。

ジョジョにはもう一つ、人間以外に重要な要素があり、それが「スタンド」です。
ジョジョの場合、闘うのは人間ではなくスタンドなので、スタンドも登場人物と同等の扱いをしていただかなくては困ります。手を抜くことは許されません。
この「スタンド」が漫画やアニメのように、いや、それ以上のqualityでしっかりCG化されて違和感なく描かれること。これもポイントの一つです。

ジョジョが今まで実写化されなかった理由の一つは、スタンドの映像化が難しかったことだと言われています。確かに、ひと昔前なら実現できなかったけれど、今はCGという技術があるので、「スタンド」の映像化についてはそれほど問題にはならないでしょう。ただ、お金をかけない安っぽいCGだけは勘弁してほしい。それがジョジョファンの総意だったのではないでしょうか。

ジョジョの実写化が発表され、そのキャストが発表されると、ネット上では賛否両論、様々な意見が飛び交いました。



★キャスティング★


東方仗助【身長180cm 16歳 高校1年生 父はジョセフ・ジョースター、母は日本人なのでハーフ スタンド:クレイジーダイヤモンド(自分の傷は治せないが自分以外の人の傷は治せる。死人を生き返らせることはできない。壊れた物を治すこともできる。)普段は温厚だが、髪をけなされるとブチ切れる。口癖は「グレートだぜ」】・・・山﨑賢人(178cm 22歳)

広瀬康一 【身長157cm 15歳 高校1年生 スタンド:エコーズ  普通の高校生だったが、形兆の矢によってスタンドの能力を得る】・・・神木隆之介(167cm 26歳)

空条承太郎【身長195cm 年齢28歳 ジョセフ・ジョースターの孫。ハーフ スタンド:スタープラチナ(時間を止めることができる。「オラオラ」) 口癖は「やれやれだぜ」】・・・伊勢谷友介(179cm 41歳)

片桐安十郎【通称アンジェロ 34歳 極悪人の死刑囚。形兆の矢によってスタンドの力を得る。スタンド:アクア・ネックレス(水などの液体、水蒸気の中に潜み、人体に入り込んで殺傷する)】・・・山田孝之(169cm 33歳)

虹村形兆【18歳 高校生 ディオの肉の芽によって不死の化け物と化した父親を殺せるスタンドを探している。スタンド:バッド・カンパニー(小人のような小さなミニチュア軍隊。歩兵60、戦車7、ヘリ4で構成される)】・・・岡田将生(181cm 28歳)

虹村億泰【身長178cm 高校1年生 スタンド:ザ・ハンド 空間を切り取ることができる。単純で可愛げがあるバカ】・・・新田真剣佑(176cm 20歳)

山岸由花子【身長167cm 高校1年生 スタンド:ラブ・デラックス(髪の毛を自在に操る)】・・・小松菜奈(168cm 21歳)

東方朋子【仗助の母、良平の娘。ジョセフ・ジョースターを愛している】・・・観月ありさ
東方良平【仗助の祖父。警察官。アンジェロに殺される】・・・國村隼

★感想★


今回映画化されたジョジョ第4部は日本の杜王町を舞台としていて、登場人物も日本人。
日本で映画化するなら、この第4部しかないだろうというのは多くのジョジョファンが思ったことでしょう。

ところが、映画の撮影はスペイン。舞台は日本なのに、なぜスペイン?と思った人は少なからずいるはず。「不思議な街並みの杜王町」を描きたかったとのこと。
確かに原作の杜王町の建物は洋風だし、あの感じを出すためにそれに近い場所を探しての結果だったのかなと思います。

スタンドのCGについては、映画を見ている時はそれほど感じなかったのですが、公式がツイートしているスタンドの戦闘シーンの動画を見ると、なんだか動きがカクカクしているところがあって、安っぽさが・・・。
わざとあんなぎこちない動きにしているのだろうか?とも考えてみましたが、やはり、わざとしているわけではなく、技術の問題というか予算の関係というか、スタンドのCGにそこまで(ハリウッド並には)かけられなかったのかなと。
アクア・ネックレスは違和感がなかったのですが、クレイジー・ダイヤモンドとザ・ハンドとか、エヴァンゲリオンかと思ってしまいましたし、子どものヒーローの戦隊もの的なCGというか、なんというか。
スタンドは機械ではないし、もう少しスムーズにならなかったのかと。
※個人的な意見です。

形兆のバッド・カンパニーは逆に、安っぽさがおもちゃの兵隊感を出していて、悪くなかったという気がします。
※個人的な意見ですよ。

今回は第一章ということで、アンジェロと形兆が敵なわけですが、第4部の主要敵キャラ吉良吉影、人気キャラの岸辺露伴、このあたりが出てこないわけで、序章という感じでしょうか。
第二章が作られるのか否かはわかりませんが、ストーリー的には今後の方が面白い展開になるはず。今回は原作ファンでも印象が薄めのアンジェロを山田孝之さんが演じるので、これはとてもぜいたくなキャスティングだと思います。
原作のアンジェロと似てもにつかない山田孝之さん演じるアンジェロなのですが、山田孝之という役者のキャラで押し切っています。
こんなに汚くする必要があるの?という汚い顔。アニメを見返してみましたが、本当に全然寄せてません。似てません。でもなんだか許せてしまう。アンジェロやってくれるんだ、すみません、的な感情が沸き上がってきてしまいました。
※思い切り個人的な感想です。

広瀬康一役の神木隆之介さんは、髪をあげて眉を康一に寄せていて、やや康一より身長が大きいなあと思わせますが、弱弱しさの漂う普通の高校生の康一をうまく演じていると感じました。さすが子役から鍛え上げた演技力。

形兆はごっつい男なのですが、岡田将生さんはとてもかっこいいイケメンで、美化された形兆という感じですが、カツラも似合っていたし、まあ良かったのではないかと思います。
本来はもっとガッチリした怖いヤンキーみたいな男だったら原作に近いのですが。

由花子役の小松菜奈さんは髪型のせいもあって、なかなか雰囲気が由花子っぽかったと思います。康一が転校生で、その世話係という設定はちょっと違和感がありましたが。
由花子も形兆によってスタンド使いになっているのですが、第一章ではスタンドは出てきません。続編での活躍を期待します。

仗助の母、朋子役の観月ありさは高身長で美しい母親で、サバサバしているところ、とても似合っていたのではないかと思います。
祖父の良平も、それほど違和感はなかったかな。おじいちゃんの警察官という役ですしね。ある程度年をとっていれば、他の人でも大丈夫だったかも。

私がかなりこの映画の中で気に入ったのは、億泰を演じた真剣佑さんでした。ご本人はめっちゃイケメンなのに、アホでゴツクて憎めない億泰をがんばって寄せて演じていました。
変な髪型に変なメイクを施しても、隠せないイケメンなので、億泰の原作とはかなり違う部分もあるのですが、歩き方や声、話し方など研究して、アニメに寄せていたと思います。
普段の真剣佑さんをテレビの番宣で見ると、億泰とは似ても似つかない不思議ちゃんで、ややクールな方に見えるので、イケメンという殻をぶち壊して億泰の役に真面目に入り込んでくれたと感じられました。
原作でも億泰はかなりの人気キャラなので、続編以降の活躍も期待できます。
真剣佑さん本人も、若いのになかなかの役者。今後もっと成長して、骨と味のあるすごい役者になると断言します。

逆に一番納得できなかったのは、キャスティング時点でも感じていた「これじゃない感」あふれるキャスティング、空条承太郎役の伊勢谷さん。
伊勢谷さんという俳優は大好きですよ。カイジ2とか、良かったですよ。
でも、空条承太郎じゃないですよね。
年齢もいきすぎてるし、顔がシワシワだし、身長全然足りない。15cmも足りてない。
あ~どうして。承太郎が伊勢谷さん?

でも、考えてみれば、誰が承太郎に合うんでしょう。
誰が承太郎を演じられるでしょう。誰がぴったりなんでしょう。
???
難しいです。空条承太郎はジョジョの一番人気(のはず)。とにかくカッコいい超高身長の学ラン男。
このキャスティングは悩ましい。苦肉の策での伊勢谷さんだったに違いないのです。他の人がやったとしても、これは絶対に「これじゃない」という意見が出るであろうし。
仕方がないことだったのかもしれません。

あと、承太郎の口癖「やれやれだぜ」のセリフをもうちょっとアニメ寄りにしてほしかった。大事なセリフなので、ここは特別感を出してほしかったなぁと思います。
※個人的意見です。

そして、最後に主人公の東方仗助を演じた山崎賢人さん。
最初発表された時は違和感しかなかったです。正直。
でも、仗助は高校生ですし、ハーフだからイケメンでなくてはならないし。身長も高くなくてはならないし。
何より、原作の荒木飛呂彦先生が、仗助の格好をしていない普段の時でも君は仗助だ!と絶賛していたので、原作の先生がおっしゃるのであれば、間違いないのだと。
ファンなんかがあれやこれやと文句をいう立場じゃないなと、そう思うのであります。

山崎賢人さんはセリフ回しも仗助に寄せていて、しっかりアニメを研究して演じているのが感じられて好感が持てます。
髪をけなされてキレるところ、もう少し強くても良かったかなあと、そこが少し残念でしたね。仗助は髪をけなされると人が違ってしまうのですから。もっと激しくても良かった気がします。

仗助はイケメン枠なので、仮に他の若手俳優が演じても違和感はなかったかもしれません。じゃあ誰がやれば良かった?と聞かれると、あのヘアスタイルがはまる顔。なかなか難しい。いないわけではないですが、山崎賢人さん、ちゃんとヘアスタイル似合っていたと思います。

映画「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章」
ジョジョの世界が現実になる瞬間。こんな時を原作ファンは心のどこかで待っていたはず。原作が大切だから、映画は見たくないという人もいるそうですが、荒木先生の監修で、お墨付きをもらった作品でありますし、一度は見ておいた方が良いと思います。
私はもう一度じっくり見たい。もう一回くらい映画館に足を運ぼうかなと思っています。





0 件のコメント:

コメントを投稿